飲み会編

ぐだりーん、と始まった飲み会。
しかし、ただ飲んだくれたりはしないのがこの私Scarletである。
仕込んだ数々の品を納めた、Scarletお楽しみBOXを押入れで開封する。
 
まずはScarlet特製、オレンジカクテル(イミテーション)の出番だ。

オレンジ色をした半透明ゼリー状の蝋燭片を、熱湯で溶かし一つにまとめ、ゆっくりと気泡を抜き、短気を起こして直接火にかけて沸騰させちゃったりして振り出しに戻ったり、ライターで改めてチャレンジして火傷したり、といった、語るも涙な紆余曲折を経て完成した偽カクテルである。
お酒と間違えて飲もうとしても、実は固形物であるという悪戯。
しかも冷蔵庫でちゃんと冷やすScarlet。
抜かりは無いぜ。
よし、まずは調理場で料理しているM上さんにアタックだ。
 
「皆のために料理頑張ってるね。偉いなぁ。少し休憩したら?ほら、オレンジのお酒だよ。」
 
「・・・え?何ですかコレ?」
 
ジィィザス!!振っちゃダメだろ!
 
以降、チッヒーや呪符苦さんにチャレンジするも、ことごとく看破される。
僕の努力は・・・と意気消沈しかかったところで、yakatuが引っかかる。
「いや、ゼリーだと思ったんだよ」
とか言ってたけど、Scarletは前向きに解釈する性質である。
ざまーみろい。
「っつーか、舐めちゃったんだけど。」
知らん。聞こえん。
 
お次は100円ショップで購入した、薬品で蛍光発光するイヤリングの登場。
とりあえずサークルの色男、H井先輩やU杉に装着させてパチョパチョ写真に収めてみる。
yakatuに装着させた時点で、ブルーのイヤリングはゲイ的な要素を爆発的に増加させることが判明する。
・・・すごい!これはキモイぞ!
嬉しくなって色んな連中に装着させてみる。
最初は嫌がる面々も、口八丁で落としてゆく。
いい写真が沢山撮れたよ。フフフ。
労力を割きまくった偽カクテルよりもずっと反響が大きくて、複雑な気分になったけどさ・・・。
 
途中、スカート君が女性陣に拉致られ、化粧を施されていったのはちょっとした想定外。
僕には彼が一人の女性になってゆく様を見守るしかなかったんだ。
まじでまじで。
3割くらい想定外。
だから、新しい趣味に目覚めちゃっても、僕を恨んではいけないよ?
 
さてさて、最後に取り出しましたのは、僕が高校の授業中に考案したTRPG用クイズ(リドル?)
正直、あまり熱心に取り組んでもらえるとは思ってなかったんだけど、出題したらかなりの人数が真剣に考えてくれていた。
ヒントを出したり答え合わせに奔走できて、凄く嬉しかったなぁ。
正解者にはガンダムクッキーやらアイスやらを配ってたけど、あれはあくまで副賞。
メインの商品は僕が直々に塗装したチェスの駒の方ですよ。
血塗られたような色に塗装してしまって自分でも少し後悔してたけど、意外と喜んでくれた人もいたのはやはり嬉しい。
塗装後うっかり左手が真っ赤に染まったままジュースを買いに出て通行人からジロジロ視線を浴びまくったけれど、それも報われるってもんよ。
(肌の色で差別しちゃいけないって、学校の先生に習わなかったのだろうか?)
 
その後、コテージ外のベンチで繰り広げられていた恋愛譚に参加するふりをしてROMっているうちに(この場合LOMか?)朝になる。
多少話の内容に当てられていたかもしれない。
Scarletはシーツをマントのように羽織って散歩に出かけましたとさ。
バッサバッサとひるがえすだけで、凄く面白かった。
実にサワヤカな朝。
「そういうの恥ずかしくないの?」「全然」とか、「Scarletはラクダに似てるね」「初めて言われた」とか、他愛も無い会話をしていたような気がする。
そして、途中遭遇したChloe君にマントを託す。
嬉しそうな表情を見せる彼。
やっぱり男はマントだよなぁ。
 
散歩の後、荷造りも済み、合宿もいよいよ終了。
忘れられていたパイナップルも、隈講前で解体して配ることができてよかった。
過去最多の仕込みをして行っただけあって、十二分に楽しむことができたよ。
実は仕込みの全てを使い切ることができたわけじゃないんだけれど、それはまた別の機会にってことでw